デイトレ初心者ブートキャンプ!

デイトレ初心者のための実用的入門ブログ

デイトレ初心者のための信用取引ミニ入門

今回の記事では、デイトレの基礎知識の最後の詰めとして、信用取引について解説します。なぜ最後の詰めに信用取引を取り上げるかというと、デイトレの多くは信用取引の枠組みの中で行われているのですが、一般にあまり仕組みが理解されておらず、デイトレに不安を覚える要因となっているように思われるからです。

おそらくこのブログを訪れる方の多くはデイトレ初心者でしょうから、信用取引に対していろいろと恐ろしいイメージを持っているのではないかと思います。

そのイメージとは、おそらく以下のようなものでしょう。

  • ギャンブル性が高く、儲けも大きいが損も大きい。
  • 大きな損失を出して自己破産のような目に合う。
  • 株価の暴落に巻き込まれて一瞬で財産を失う。
  • 上級者向きで、初心者が手を出すと危ない。

債務整理|石川県加賀市 曽根司法書士・たかうち行政書士合同 ...

当キャンプでは、上のようなイメージは、世間が過剰に不安をあおられた結果だと考えています。この記事を読めば、信用取引が通常の株式投資とどう違うのか、どんなリスクがあり、メリットがあるのかを明確に理解できるはずです。

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初心者が扱える情報量:板、チャート、出来高だけで戦おう

今回の記事では、当キャンプがデイトレにおいてしっかりと観察すべきと考えている3つの対象、板、チャート、出来高について解説していきます。

すでに証券口座を開いてトレーディングツールを操作したことがある方なら、そこに膨大な情報が含まれていることをご存じでしょう。

初めてツールを開いたとき、どこを見て良いのかわからず呆然としなかったですか?まだ口座を開く前でトレーディングツールの画面をよく知らないという方も、証券各社のツール紹介ページを見れば、「この画面の中の何が大事で、いつどこを見たらいいんだ?」と疑問に思う人もいるでしょう。

だから初めに明記しておきたいと思います。トレーディングツールは、人間に処理できるよりもはるかに多くの情報をトレーダーに提示することが可能です。デイトレ初心者がまず克服すべきは、流暢に知覚できないこの情報を、どうやって扱える量に抑えるか、抑えた上でトレードするかという課題です。

当キャンプではそれを、板、チャート、出来高の3つに絞ってトレードする戦略をお伝えしていきます。この記事を読むことで、なぜこの3つの情報なのか、それぞれの情報が互いにどのような働きをするのか、理解できるようになります。

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テクニカル分析 ファンダメンタル分析 必要?

今回の記事では、株式投資の2大戦略であるテクニカル分析とファンダメンタル分析について解説します。

それぞれの分析方法は、デイトレの入門書で必ずと言って良いほど多くのページが割かれていますが、デイトレ初心者はこれらの多彩な分析方法にどの程度習熟し、活用する必要があるのでしょうか?

本記事では、2大戦略についての最新の知見をやさしく解説し(必ずしも理解する必要はありません。ざっと読んでくだされば十分です)、デイトレ初心者がこれらとどう付き合うべきなのかについて、当キャンプなりの考えを提示します。

この記事によって、あなたはデイトレ入門書の最重要項目である2大戦略に対して、独自のスタンスを得ることができます。

 

ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析とは、企業の実体や収益性、成長性などの基礎的な経営指標を分析し、株価の適正水準を判断する手法です。この分析を通じて、株価が過小または過大に評価されているかを見極め、投資判断の材料とします。

主なファンダメンタル分析の指標

1. 収益性

- 売上高、営業利益、経常利益、最終利益などの推移
- 売上高営業利益率、ROE(株主資本利益率)、ROA(総資産利益率)など収益性を示す指標

2. 安全性

- 自己資本比率、デット・エクイティ・レシオ(負債資本倍率)
- 営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローなど

3. 成長性

- 売上高、利益の伸び率
- 新規事業の成長見通し
- 研究開発費の水準

4. その他

- 配当性向
- PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)など株価指標

ファンダメンタル分析の手順

1. 企業概要の把握

   事業内容、事業環境、経営戦略などを理解する。

2. 決算データの分析

   上記の指標を中心に、過去数年の決算データを詳細に分析する。

3. 業界動向の把握

  同業他社との比較や業界全体の成長性を検討する。

4. 株価の適正水準の判断

   分析結果から、株価が割安または割高かを判断する。

5. 投資判断

   株価の適正水準と実際の株価を比較し、売買のタイミングを決める。

ファンダメンタル分析のまとめ

ファンダメンタル分析は地道な作業が必要ですが、企業の実力を多角的に評価できる点が強みです。一方、株価は将来の期待も反映するため、分析結果と乖離する場合もあります。そのため、テクニカル分析なども組み合わせて総合的に判断することが重要とされています。

 

テクニカル分析

テクニカル分析では、株価の過去の値動きから将来の値動きを予測しようとします。分析手法としては、チャートを用いた分析とテクニカル指標を用いた分析があります。テクニカル指標は確率的な計算によって求められるため、数学が苦手な人にとっては苦痛でしかありません。この記事では指標の計算式はすべて割愛しました。ざっと読んでくだされば十分です。

チャート分析

株価の過去の値動きをチャートで表し、チャートが示すパターンから将来の値動きを読み取ります。主なチャートの種類としてはバーチャート、ローソク足チャート、ラインチャートなどがあります。日本のトレーダーの多くは、開発者が日本人だということもあって、ローソク足チャートを好む人が多いようです。

チャート分析では、チャートの形状を手掛かりに値動きを予測します。代表的なチャートパターンとしては、ヘッドアンドショルダー、ダブルトップ/ダブルボトム、三角保ち合い(フラッグ)などが有名です。

チャート分析については、マネックス証券のホームページがわかりやすいので、チャートの形状とその利用法についてはそちらを参照してください。

info.monex.co.jp

テクニカル指標を用いた分析

テクニカル指標は、株価の過去の値動きから算出される各種指標を用いて売買シグナルを探るものです。トレンド系とオシレーター系の指標があります。

トレンド系指標

トレンド系指標は、英語でOverlays(重ね合わせた)と呼ばれ、文字通りチャート上に重ね合わせて表示させる指標です。株価の方向性を判断するための指標と考えれば良いでしょう。代表的なものは以下の通りです。

移動平均線
   - 一定期間の平均値を示す線で、短期と長期の2本を使い分けることが一般的です。これに中期線を加えて3本でより詳細に分析する人もいます。
   - ゴールデンクロスやデッドクロスなどのシグナルを活用します。

MACD(Moving Average Convergence/Divergence)
   - 移動平均線の乖離から売買シグナルを捉えます。

ボリンジャーバンド
   - 価格が統計的に設定できる一定範囲を上下に大きく乖離した際に、反転シグナルと判断します。

パラボリック
   - 曲線で価格の動きをトレースし、株価が曲線にタッチしたところを方向転換のサインとしてキャッチします。

オシレータ系指標

オシレータ系指標は、売り買いの強弱や価格の過熱感を示す指標です。非常に多くの指標が考案されていますが、ここでは代表的なものに絞って簡単に説明します。

RSI(Relative Strength Index)
   - 過去一定期間の上げ幅(前日比)の合計をもとに算出される指標で、0から100の値で示されます。70超えると売り圧力、30を下回ると買い圧力が高まるとされています。

ストキャスティクス
   - 最高値と最安値の間で現在値がどの位置にあるかを示します。

RCI(Rank Correlation Index)
   - ある期間における日付と価格に順位をつけ、その相関関係を-100%から+100%の範囲で指数化したものです。一般に20を上回ると売り圧力、-20を下回ると買い圧力が高まるとはんだんされます。

DMI(Directional Movement Index)
   - +DIとーDIの差から方向性を判断する指標です。

これらの指標は単独で使うよりも、複数の指標を組み合わせて利用することが重要と言われています。また、指標だけでなく価格行動や売買高なども考慮に入れる必要があります。

 

2大戦略の長所と短所

ファンダメンタル分析とテクニカル分析は、それぞれ長所と短所があります。下記の表は、それを一覧できるように整理したものです。詳細を見ていただくとわかるように、相互に補い合う部分があることと、「情報過多」という共通の問題があることに注目してください。

 

 

2大戦略への批判

効率的市場仮説

難しげな学術用語が出てきましたが、2大戦略のどのような点を批判しているのかがわかればそれで十分です。さらっと解説しますので、要点を頭の片隅に記憶しておいてください。

効率的市場仮説の本質

効率的市場仮説は、金融市場において価格が常に利用可能な情報を完全に反映すると主張します。これは、価格変動はランダムであり、過去の情報から将来の価格を予測することはできないという前提に基づいています。

効率的市場仮説の評価

効率的市場仮説の検証は、多くの統計的方法を用いて行われてきました。しかしその内容は、素人には少々難しすぎる内容です。ただ、これらの方法で、効率的市場仮説は一貫した結果が得られておらず、仮説の妥当性に対しては、確固たる結論が出ていない​​ことは知っておいて良いでしょう。にもかかわらず、(大人の事情により*1)効率的市場仮説は、長年にわたり金融理論の中心的な役割を果たしてきました。

効率的市場仮説の再検討

近年になって、この仮説に対する疑問が提起されています。

行動経済学の影響

行動経済学の発展により、投資家の合理性に対する疑問が生じました。投資家は必ずしも合理的に行動するわけではなく、心理的バイアスや感情の影響を受けることが明らかになりました。このことは市場の効率性に影響を与えます。

ノイズトレーダーの存在

ノイズトレーダーとは、企業の基礎的な価値とは無関係な要因に基づいて取引を行う存在のことです。デイトレーダーはノイズトレーダーの代表選手です。このようなノイズトレーダーの存在は、価格の一時的な歪みを引き起こし、市場の効率性を損なう可能性があると言われています*2

情報の非対称性

一部の投資家は他の投資家よりも多くの情報を持っているという事実は、市場の効率性を阻害する要因とされています。インサイダー取引などの違法行為がその典型例です。

 

2大戦略は、デイトレ初心者にどの程度必要か?

まず結論から言うと、当キャンプでは、2大戦略がデイトレ初心者に必要なものとは言えず、せいぜい絞り込まれた2,3の情報を利用するだけで十分だと考えています。理由は2つあって、1つ目は、これらの分析に習熟するには多くの手間と時間が必要だが、その成果が必ずしもデイトレ初心者の利益と成長に寄与しないと思われるからです。理由の2つ目は、2大戦略に関する科学的基礎が脆弱なものに感じられるからです。当キャンプの最初の記事で、「投資とギャンブルは本質的に違わない」と書いたことを覚えておられるでしょうか。ギャンブルに科学は通用しません。それならば、デイトレにも通用しないだろうということです。

ただし、2大戦略を全否定するわけではありません。その一部はデイトレ初心者にとって、相場の状況をデータで把握するのに役立ちます。

ファンダメンタル分析との付き合い方

ファンダメンタル分析は、主に長期投資家が頼りにする方法です。経営の現状から見た企業価値を把握するのに有効です。しかしデイトレにおいては、短期的な需給の変動がトレード結果を左右します。したがって、ファンダメンタル分析を詳細に行う必要はないと考えて良いでしょう。ただし、決算発表というイベントは、デイトレにおいて非常に重要なイベントなので、決算が市場の予想と比べてどの程度良かったのか悪かったのかは、銘柄選定の手がかりとして知っておくべきでしょう。

決算シーズンになったら、IFIS株予報などのサイトで決算の概要を見ると良いでしょう。

kabuyoho.ifis.co.jp

また、ファンダメンタル分析で用いられる指標については、先にも紹介したマネックス証券のホームページが、「銘柄分析・入門塾」というページで初心者向けに解説していますので、気になる人は参考にしてください。

info.monex.co.jp

テクニカル分析との付き合い方

テクニカル分析は、デイトレーダーの多くがトレードの参考にする指標を数多く開発しています。とりわけチャートの形状と出来高、移動平均線は、株価の推移を把握するのに便利です。しかし、過去の株価をもとに算出されたテクニカル指標の多くは、矛盾や例外が多く、トレードの根拠として寄りかかるには不安があります。

デイトレ初心者は、トレードの明確な根拠となるものを欲すると思いますが、現状ではそれに応えてくれる指標があるようには思えません。

この傾向は、トレード時間が短くなればなるほど強くなると感じます。当キャンプでは、スキャルピングのようにきわめて短い時間で決済するトレードで、テクニカル指標を頼るのは心もとないと考えています。

しかし、ローソク足チャートと移動平均線、出来高の3つは、直近の値動きや取引の事実を知らせてくれ、初心者が相場の森で迷子になりそうな時のガイドになってくれると思います。当キャンプがお伝えする板観察トレード法では、テクニカル分析の一部が重要な脇役として活躍しています。

 

まとめ

今回の記事では、株式投資の2大戦略として、ファンダメンタル分析とテクニカル分析を取り上げました。いずれの分析も先人たちの工夫の結晶ではありますが、デイトレ初心者には複雑で、予測の安定性に疑問が残るため、当キャンプではこれらの中のごく限られた情報だけをトレードに用いることをお勧めします。

次回の記事では、その「ごく絞られた情報」でとして、板、チャート、出来高が果たす役割やその関係について解説する予定です。

どうぞお楽しみに!

 

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*1:興味がわいた人は、たとえばナシーム・ニコラス・タレブの著書を読むと爽快に感じるくらい明確に批判しています

*2:別にデイトレーダーが批判されているわけではありません。市場はより人間的だと言っているだけです。

必読!これを知らないとデイトレでフリーズしてしまう取引ルールや株用語

株式投資に関するルールには、知らないと損をするようなルール、自分のお金を大きく減らしてしまうようなルール、トラブルを未然に防ぐためのルール、公正さを保つためのルールなど、さまざまなものがあります。当キャンプは法律家の育成を目指しているわけではありませんから、こうしたルールのすべてについての細かい解説はしません。

ただ、デイトレ初心者が、このルールを知らないとトレードでフリーズしてしまうだろうというルールはありますので、今回の記事ではそれに該当するような最低限の取引ルールや用語を説明します。

この記事を読んであらかじめ理解しておけば、トレードを始めてから場中で「???」となる経験をしなくて済むようになるでしょう。

 

信頼できる情報源

日本株を対象にデイトレをしようとする人が、取引ルールについてきちんと理解しておきたいなら、信頼できる情報源が必要です。もっとも信頼性が高い情報源は、おそらく日本取引所グループ(JPX)のホームページです。

www.jpx.co.jp

取引ルールには、若干複雑でとっつきにくいものもあるため、正確な情報を得たいと思ったらJPXのホームページで調べると良いでしょう。そのほかにも、証券各社がホームページ内に証券用語集のページを持っており、一般投資家向けにわかりやすく解説しています。

最低限知っておきたい取引ルール

立会時間

立会(たちあい)時間とは、取引所でデイトレができる時間のことです。デイトレは1日でトレードを完了させるため、立会時間への意識はとても重要です。

立会時間は前場(ぜんば)と後場(ごば)に分かれており、前場は9:00~11:30までの2時間30分、後場は12:30~15:00までの2時間30分、合計5時間が1日にトレードできる時間となります。前場が終わる最後の取引を前場引け(あるいは単に「引け」)、後場の始まりを後場寄り、1日の取引の終わり(後場の終わり)を大引けと言い慣わしています。なお、取引ができるのはこの時間帯ですが、注文の受付自体は、前場は8:00から、後場は12:05から行われています(のちに説明する通り、この受付時間帯の板の観察が重要になってきます)。

 

何時にトレードするかは値動きに関連するため、トレードの成果に影響します。

下の図にあるように、寄り付きから1時間と、大引け前の最後の1時間は取引が1日の中でもっとも活発になる時間帯であり、デイトレの「ゴールデンタイム」と呼ばれます。

特に朝のゴールデンタイムは、多くの銘柄で最大の出来高を作る時間帯で、値動きも非常に活発になりやすいため、デイトレーダーの中には朝の1時間しかトレードしないという人も多くいます。当キャンプでも、朝のゴールデンタイムに3千円程度の利益を出すことを目標にトレード手法を説明する予定です。

売買の単位

株式は、1株、2株と数えますが、売買は1株ずつ行われていません。売買する「単位」が設定されています。この「単位」のことを「ロット」とも言います*1。JPXで取り扱う銘柄は、すべて100株を1単位(1ロット)として取引するよう統一されています*2

ロット数は損益に大きな影響を及ぼす重要な概念です。のちの記事でも詳しくお伝えすることになると思いますが、買い付けて保有する株式のロットを大きくすれば、それと同じ比率で損益が変化します。例えば1千円の株の場合、1ロット(100株)の保有なら株価が1円上がるごとに100円の利益ですが、2ロットなら200円です。株価が下落する場合も同様です。

「デイトレで大負けして退場になった」という場合、ほとんど例外なく大きなロットでトレードし、大損失となっています。簡単にシミュレートしてみましょう。1千円の株を1ロット買った場合と10ロット買った場合、株価が急落して900円になれば(毎日生じるめずらしくもない下落です)、1ロットなら1万円の損失で済みますが、10ロットなら10万円です。これを30ロット、50ロットで想像してみてください。小資金のトレーダーはあっという間に退場になってしまいます*3

これは見方を変えれば、ロット数が大きくなり過ぎないようにしっかりコントロールしていれば、50万円の資金が失われてしまうほどの損失は、そう簡単には起こらないとも言えます。

当キャンプでは、ロット数を大きくせずに利益を狙う戦略を考えていきます。

呼び値の単位(ティック)

呼び値とは「売買の注文をする際の値段の刻み」のことです。トレーダーの会話や文章では「ティック」という言い方のほうがよく用いられるようです。呼び値の単位(1ティック)は0.1円~10万円まで設定されており、株価と銘柄の種類*4に応じて決まっています。

1ティックが0.1円から1円になるということは、価格が変化する単位が10倍になったということと同義で、これは先に見た「ロットを10倍にする」のと同じ効果があります。しかし1ティックが小さいからといって、リスクも小さくなるわけではありません。リアルな相場で板を見ていただくとわかりやすいのですが、1ティック=0.1円の銘柄の中には、売り手と買い手の最良気配(さいりょうけはい、売り手の最安値と買い手の最高値)が、常に10ティック以上離れている銘柄があったりします。これは明確なルールに基づいてそうなっているのではなく、相場参加者たちが1円未満の変動で約定することを避けようとした結果です。

下の図は、2024年5月24日大引け時の東京電力の板です(ツールは楽天証券のマーケットスピード2のもの)。売り気配と買い気配の間が10ティック以上空いているのが見て取れますね。買い手がもっとも安く買おうとしたら、必然的に1円以上高く買うことになりますので、呼び値は0.1円ですが、実態的には1ティック=1円以上になるわけです。


また、呼び値の単位が変化する前後には、取引が非常に活発になる傾向があります。たとえば2,999円の銘柄は1ティック=1円ですが、その銘柄の株価が3,000円になった途端、1ティック=5円に変化します。いきなりロットが5倍になったのと同じことです。その理由から、初心者には呼び値1円の銘柄で始めるよう勧める人が多いです。当キャンプも同意見です。

多くのデイトレーダーが取引する銘柄は、1ティック=0.1円~50円といったところでしょうか。株価が1株3万円~5万円なら1ティック=50円*5、3千円未満なら1ティック=1円といったところです。いま書いたのはTOPIX構成銘柄ではない場合の呼び値で、TOPIX構成銘柄では呼び値がもう少し低めに設定されています。呼び値の一覧はJPXのホームページで確認できます。

注文の種類と競争売買のルール

実践に不可欠な取引ルールとして、注文に関するルールがありす。

デイトレで1番重要な行為は「注文すること」ですが、信用取引の場合、注文をして買い、それを売るための返済注文が約定して初めて1回の取引が完了します*6

注文が約定するルールはシンプルで、買い注文はもっとも高い買値を提示した注文から順番に約定し、売り注文はもっとも安い売値から約定するというものです。簡単に言えば、株を競売にかけているわけです(個別競争売買といいます)。

ただ、上の東京電力の板をもう一度見てください。同じ価格に1000や1万の注文があります。この場合は、約定させる順番が決まっています。約定がもっとも早いのは成行注文で、すべての注文の中で最優先で約定します。これは成行注文が、「いくらでも良い」ことを意味する注文だからです。「売り手の言い値で買うよ」と言っているのと同じです。成行注文が約定した後は、「時間優先原則」が適用され、同じ価格なら早く注文したものから順に約定していきます。この、価格を指定して行う注文を「指値注文」と言います。

また、寄り付きと引けでは「板寄せ」という方式で価格が決定されます。実践上は自然に事が進んでいくので難しくないのですが、取引の開始時と終了時には、買い注文と売り注文の数量が合致した価格で約定させるという方式になっています。寄りと引けの注文は、取引が行われていない時間を含んでいるので、時間優先原則を適用せず少し特別なルールを適用していると考えれば良いでしょう。

特別気配・連続約定気配

ちょっとややこしいのは、板寄せ方式が、寄りと引け以外にも適用される場面があることです。特別気配連続約定気配の場面です。どちらもJPXが独自に定めているルールで、世界共通のルールではありません。JPXは価格の急変動によって市場参加者が思わぬ損失を出すなどの事態を回避しようとする、保護的な立場を取っているようで、特別気配も連続約定気配も、JPXが定めた一定の値幅を超えて株価が急変しそうになると、通常の約定ルール(ザラバ方式と呼ばれます)を適用せず、板寄せ方式に切り替えます。ツールによって板上での表示記号は異なりますが、特別気配の場合は買いか売りのどちらかの板に「特」とか「S」などと表示され、その反対の板には#や*が表示されます。連続約定気配の場合は「連」と表示されます*7

ストップ高とストップ安

これらの言葉はニュース記事などで目にした人も多いと思います。これも世界共通ルールではなくJPX独自のルールです。JPXでは、一日の売買における値動きの幅を、価格水準に応じて一定に制限しており、この値幅を制限値幅といいます。上の特別気配・連続約定気配と同じく、株価の変動が一日のうちに大きくなり過ぎないよう制限をかけているわけです。ストップ高は制限値幅まで株価が上がって取引がストップすることであり、ストップ安は値下がりに対する制限です。

 

違法な行為と類似行為またはグレーゾーン

デイトレに直接関係する法律は金融商品取引法ですが、初心者でも理解しておくべき違法行為として、相場操縦取引があります。文字通り、相場を意識的、人為的に変動させ、その相場の変動を利用して自己の利益を図ろうとするものです。具体的には、クロス取引と見せ玉(みせぎょく)は、知らないとトレーディングツールで注文ができなかったりするので理解しておきましょう。以下では、違法な行為と一見類似しているけれども違法ではない手法を合わせて解説します。

クロス取引と両建て

JPXでは「対売買(クロス取引)」と表現している。対当売買(クロス取引)とは、同一銘柄について、売り注文と買い注文を同時期に同価格で約定させることを意味し、金融商品取引法の相場操縦行為として禁止されています(違法行為)。売買を活発に見せかけたり、株価が上昇する(または下落する)と思わせたりする効果を持つため、証券各社のトレーディングツールでは、対当売買に該当するような注文を出そうとすると、ツールによって拒否されてしまいます(注文を受け付けられないという注意喚起メッセージが出る)。

これとよく似た手法に、両建てつなぎ売りがあります。売りと買いの両方に建玉をして損益をロック(固定)する効果があるため、株価の一時的な変動や値動きの方向感がつかめない時のリスク回避として用いられます。また、デイトレとはあまり関係ありませんが、株主優待の権利が確定する前後で株価が大きく変動するのに備えるためにも使われています。両建てやつなぎ売りは、同時期+同価格になれば対当売買と同じですが、時期がずれていたり、価格が違っていたりすれば問題ありません。

見せ玉(見せ板)と注文取消し

約定するつもりがない大量の注文を出して、他の参加者に相場の状況を誤解させて売買取引に誘い込み、自分の注文を取り消したり訂正したりすることを言います。意図的に他の参加者に誤解を生じさせるという点が相場操縦行為に該当し、法で禁じられています。ところが、これを明確に判定するのは困難で、禁じられているにもかかわらず実は頻繁に行われているとの見方もあります。判定困難な理由は、現実問題として注文の取消しはしばしば起こり得るため(たとえば間違って注文したとか、注文後に状況や予想が変わったとか)、意図的な操縦行為かどうかを証明しにくいからです。

Youtubeで配信をしているデイトレーダーなどが、「注文の取消しはまずい」と強調する場面を時折見かけますが、それは見せ板と認定されたら厳しい処分があると危惧しているからだと思います。

こうした事情があるため、見せ板に関してはグレーゾーンとなっていて、他の操縦行為に比べて摘発が難しい状況にあるかもしれません。「注文を取り消したら証券会社から電話がかかってきた」という話も聞きますが、実態はよくわかりません。

当然、注文の取り消しや訂正は、しないに越したことはありませんが、だからといって必要な取消しや訂正を我慢するのは馬鹿げていると言えるでしょう*8

 

まとめ

今回の記事では、デイトレを実際に行うときに、知らないとデイトレ中に困惑してしまい、判断や注文などの行為に影響しそうな取引ルールや用語について解説しました。とりわけ「ロット」や「ティック」は注文に直接かかわる言葉なので、その意味を正確に理解しておきたいところです。また、相場操縦行為である対当売買や見せ板は、該当する行為を行ったと認定されると法律違反となるため、類似行為との違いを明確にしました。両建てや注文の取り消しは、不公正取引の条件に該当しなければ通常の取引行為なので、必要な場面で安心して使って良いものです。

次回の記事では、デイトレの入門書等でおなじみのテクニカル分析とファンダメンタル分析について、その必要性や有効性を当キャンプ独自の立場から解説しようと思います。どうぞお楽しみに!

 

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*1:ややこしいですが、「枚数」とか「件数」と呼ぶ場合もあります

*2:単元未満株と言って1株から取引できる制度もありますが、あれは取引所ではなく、投資家と証券会社の間で行われている特殊なサービスです。

*3:信用取引では資金の約3倍まで株式を購入できるので、50万円の資金の人でも1千円の銘柄を15ロットまで買い付けられます。15ロットの場合、100円の下落で15万円の損失ですね

*4:TOPIX構成銘柄か、そうでないかで異なります

*5:このように値段の高い銘柄を「値嵩株(ねがさかぶ)」と言います

*6:現物取引の場合は返済ではなく売却といいます

*7:表示記号については自分が使うツールではどうなっているか、マニュアル等で確認してください

*8:取り消しはダメだが訂正なら良いという主張も見かけますが、法が規定しているのは「権利の移転を目的としない仮装の有価証券の売買」(第159条)なので、訂正なら良いという理屈は通りにくいと思います

デイトレ初心者になろう!証券口座・機材・トレーディングツール・資金

はじめに:デイトレ初心者になろう!

今日からデイトレの具体的な話に入って行きます。

まず必要なことといえば、デイトレができる環境を作ることです。本記事で紹介するのは、証券口座、必要機材、トレーディングツール、そして資金についてです。どれか1つでも欠けているとデイトレはできないので、この4つは必要最低限の準備と言えます。

当キャンプの方針は、「とにかく情報をシンプルに」ですから、環境作りはある意味適当です。しかし、デイトレ初心者が困りそうなことについてはしっかりと説明していきますので、デイトレの入り口にずんずん入っていきましょう。

この記事を読み終わる頃には、あなたはもうデイトレ初心者です!

 

証券口座を開く

デイトレを始めるには証券口座が必要だと、案外多くの人は知らないかもしれません。新NISAやiDeCo、他の株式投資を既にやっている人なら当然わかっていることですが、初めて投資を行う人が、最初に戸惑うのは証券口座の開設でしょう。

結論から言えば、ネット証券での口座開設手続きは簡単で、ネット上でほぼ完結します*1。また、証券会社選びにあまり時間をかける必要はありません。ネット証券ならどこでも良いという感じです。「なぜ対面営業(店舗型)の証券会社はダメなの?」という疑問に対しては、「手数料が高いからです!」が答えです。

ネット証券大手5社

ネット証券はたくさんあります。そもそも証券会社全体で200社以上もあるのです。ネット証券大手5社と呼ばれるのは、auカブコム証券、マネックス証券、松井証券、SBI証券、楽天証券の5社です。

ネット証券の比較サイトはすでにたくさんあるので、詳細を比較して選びたいという人は、たとえば以下のサイトを参考にしてください。

kabutan.jp

diamond.jp

finance.yahoo.co.jp

ランキングが必ずしも一致していないのは、おそらく多少宣伝がかかわっているからだと思いますが、大手5社が常に上位にいることは確認できます。この5社の中で、マネックス証券だけはちょっと毛色が違います。銘柄スクリーニングのサービスを見るとわかるのですが、マネックス証券だけは、デイトレではなく長期投資に重点を置いている印象があります。

当キャンプでは、シンプルに手数料で選ぶならSBI証券か楽天証券、トレーディングツールやユニークなサービスがデイトレーダーに人気なのは松井証券だと考えています。どの証券会社にするか迷うようなら、この3社から選ぶと良いと思います。ただ、繰り返しますが、どこの会社でデイトレを始めても、初心者にとって大差はないでしょう。口座開設はどこのネット証券でも無料ですし、口座の維持費用も発生しませんから、いっそのこと3社全部で開設して、自分にとって使い勝手の良いところをメインにするという手もあります。口座を開設さえすれば、各社のトレーディングツールを触ってみることもできるので、案外この方法が良いかもしれません。実際に、著名トレーダーの多くは複数の会社で口座を開いています。

信用取引口座の開設

デイトレをやるなら、信用取引口座の開設は絶対にしたほうが良いと当キャンプでは考えます。1回のトレードが完了するとすぐに買い付け余力(トレード資金)が回復し、回転売買が可能になるからです。順番に説明しましょう。信用取引ではない取引は「現物取引」と呼ばれます。現物取引では、株式を売却してもすぐにその資金を次の取引に使うことができず、「受け渡し日」(売却から3営業日目)までは口座残高が回復しません。つまり、50万円が口座にあって、30万円分取引を行って売却しても(仮に損益が0円だったとしても)、3日経過しないと口座残高が50万円に戻らず、取引に使えないのです。これは小資金でデイトレを始めようとする人にとって、非常に不利な条件です。トレードチャンスが後に続いたとしても、買い付け資金がないからです。

信用取引は、それ専用の口座を開設して行います。「え、また開設するの?面倒…」と思った方もいるかもしれませんが、最初に開いた口座の中で追加的に開くものなので、最初の開設のような手続きは不要です。最初に開いた口座を「総合取引口座」と呼び、その中に信用取引口座やFX口座、金・プラチナ(先物取引)口座があるという感じです。

ただし、信用取引口座を開設するには基準があり、その基準を満たして審査を通過する必要があります。どこの証券会社でも必ず基準が設定されており、中でも重要なのは「株式投資の経験」と「金融資産」の2点です。証券会社によって表現の細かさは若干異なるようです。例えば楽天証券は、「他社を含め、信用取引あるいは一定の現物株式取引の投資経験がある」「金融資産が100万円以上ある」と、割合厳密に定めています。これに対してSBI証券では、「十分な金融資産や証券知識があること」「株式の投資経験があること」という具合で、かなりざっくりとした表現です(実際の審査の厳しさはあまり変わらないと思いますが)。

デイトレ以外の投資法も含めて、株式投資は初めてだという方の場合、すぐに信用取引口座を開くことは難しいと思います。新NISA口座で積立投資を100万円分くらい行って基準を満たすようにしましょう。もちろん現物取引は口座開設と同時に可能なので、ごく小資金で現物取引を始めて基準を満たす手もあります。*2

「回転売買」とは、同じ銘柄を1日に何度もトレードすることです。例えばトヨタ自動車の株を1単元(100株)買って、10分後に売却し、またすぐに100株買って、という具合です。デイトレでは、株価が活発に動いている間、リスクを避けながら何度も買い、売却を繰り返して利益を積み重ねていきます。現物取引でこれをやろうとすると200株分の資金が必要ですが、信用取引ではそれが100株分の資金でできるわけです。

トレードに必要な機材

デイトレーダーのステレオタイプとして、下のイラストのように「たくさんのモニターに囲まれてチカチカ光る画面を見ながらマウスを動かしている」というイメージがあります。しかし、デイトレーダーがみんなそういう機材でトレードしているわけではありません。

デイトレのYoutubeチャンネルとして有名な「デイトレ塾Rょーへー」では、多くのトレーダーのデイトレ環境が詳しく紹介されていますが、使用機材やモニターの枚数など、実に多様であることがわかります。

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では、極限までシンプルな環境とはどういう環境でしょうか。答えは「スマホ1台」です。ネット証券の多くは、スマホ版のトレーディングアプリを用意しています。これ以上にシンプルにはできないでしょう。

ただ、やはりスマホ1台というのはかなりの上級者向きだと言わざるを得ません。少なくとも、数秒単位でトレードする「スキャルピング」を行うなら、スマホ1台では無理があります。しかしその一方で、何枚ものモニターとハイスペックなパソコンが必要かというと、それも違います。

当キャンプでは、「発売されて10年以内くらいのノートパソコンが家にあるなら、とりあえずはそれで十分」という考えです*3。日本でおそらくもっとも著名なデイトレーダーであるテスタさんも、最初はノートパソコン1台で始めたと言っています。

機材にお金をかける余裕がある方は、もちろん存分に高機能の環境を構築してください。ハイスペックなパソコンや大型モニターが、トレードの障害になることはありません。しかし、「まず道具をそろえよう」という発想は、取らなくて良いと思います。その分を投資資金にまわしましょう。

パソコンをいま持っていない、これから買うという人が、デイトレと仕事(または学業)の両方に使う目的ならば、HP(ヒューレットパッカード)やDell(デル)が、十分なスペックで10万円以下のノートPCを出していますのでおすすめです。

パソコンとセットで必要なのはインターネット回線ですが、ネット証券で口座を開こうという人なら、当然すでに開通済みでしょう。「通信速度は最低○○Mbpsくらいほしい」という話も聞きますが、これも「いまあるもの」で問題ないでしょう。ただし、街中のフリーwifiはセキュリティーの問題があるのでやめておきましょう。自宅でトレードしてください。

 

トレーディングツールはどこのがいいの?

これはなかなか悩ましい問題です。ネット証券各社が、ツールの高機能を競っているので、「どこのツールがいいんだろう?」と考える人もいるでしょう。しかし、当キャンプでこれから学んでいく板観察中心のトレード法は、ツールの高度な機能を必要としません。「フル板が無料で使える」という条件さえ満たせば、どこのツールでも良いのです。ちなみに、先に紹介した3つのネット証券(松井、SBI、楽天)は、おおむね無料でフル板が使えます。松井証券は1か月に10回以上の取引、SBIは信用口座の開設が無料利用の条件となっています。楽天証券は完全無料です。

細かく調べていけば、おそらく使い勝手に違いは見つかるのでしょうが、これもまた初心者にとっては大差ないと考えて良いと思います。ツールの使い勝手以前に、トレードの流れに慣れることのほうが最初は大変だからです。

トレードに慣れて、細かい機能のちがいが気になるようになってから改めてツール選びを考え直せば良いでしょう。松井、SBI、楽天の3社のうち、楽天証券だけはツールのデモトレードが提供されているので、口座を開かなくても体験できるようです。

 

デイトレ初心者に必要な資金

株式投資全般に言えることですが、資金は多いほど有利です。特に信用取引には口座維持に最低限必要な金額が、どこの証券会社でもおおむね30万円と定められていて、それを下回ると取引ができなくなります(取引が停止される前に「追証」という資金の追加が求められ、そこで新たに入金できれば取引停止にはなりません)。したがって、資金が多ければある程度の損失が出ても信用口座を維持することができますが、資金が少ないと、ちょっと損が出ただけで追証を求められるという事態になります。

当キャンプでは、初心者がデイトレを始めるのに適切な資金を50万円と考えています。20万円の余裕があれば、いきなり無謀なトレードをしない限り、すぐに取引停止にはならないでしょう(逆に言うと、無謀なトレードをすれば1日で資金は枯渇します)。30万円ぎりぎりで始めるのはお勧めしません。始めたての頃はツールの使い方にも慣れていないため、本当なら利益が出ていたタイミングで操作ミスをしてしまい、数千円程度の損失が出ることはまれではありません。30万円でトレードを始めると、その1回の操作ミスで取引停止になってしまいます。「50万円は難しい」という人は、せめて40万円準備できてからトレードを始めましょう。もちろん生活防衛を考慮したうえでです。生活防衛資金を確保できていて、生活が脅かされないなら、多い分にはいくら多くてもかまいません。

重要なのは、相場にとどまり続けることだと、多くのトレーダーは言っています。

 

まとめと次回記事の予告

今回の記事では、デイトレを始めるために不可欠な準備について解説しました。証券口座を開き、いまあるパソコンとネット回線を使い、口座を開いた証券会社が提供するトレーディングツールを使って、50万円程度の資金で始めてみましょう。必要最低限の準備で、あまりお金をかけずに始めることをお勧めします。大事なのは急いで稼ごうとすることではなく、相場に長くとどまり、トレードを続けていくことです。何もわからないうちから過剰な設備投資を行うことは、お金に余裕があるという人以外は避けたほうが良いでしょう。慣れた後に、本当に必要なものをそろえれば良いのです。

さあ、これであなたがデイトレーダーとしてデビューする最低限の準備は整ったはずです。次回の記事では、デイトレデビューをする前に最低限知っておかなければならない取引ルールと株用語について、詳しく説明する予定です。デイトレをするにあたり、知らないと本番でフリーズしてしまうような事柄について、仕組みやルールを正しく理解し、本番に備えましょう。

では、次回の記事をお楽しみに!

 

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*1:税金が関わることなので本人確認書類だけは後日郵送する必要があります。

*2:相当にぶっちゃけた話をすると、信用取引口座の審査は基本的に自己申告に基づくものなので、じつは結構いい加減なのではと感じることもあります

*3:ただしWindows 10は2025年10月でサポートが終了してしまうので、Windows 11を使えるものが欲しいところです

投資とリスクとプレミアム

初めに:投資とギャンブル

デイトレは一瞬で大きな利益を生むこともあります。株価1万円、1千株購入、寄りから急騰して株価は数分で1万500円に。わずか数分で50万円の利益です。

このヒリヒリするような緊張とスリル、大きな利益を出した時の歓喜の爆発は、トレーダーを虜にするには十分すぎる体験です。

でもそれ、ただの偶然ですよ。

上級者なら、「いや、そんなことはない!前日からこの展開は見切っていたぞ!」と、炎柱煉獄さんのように胸を張るかもしれません。実際にそうして大きな利益を出している上級トレーダーはいるでしょう。

鬼滅の刃】煉獄 杏寿郎「うむっ、いい心掛けだ!!」 Demon Slayer Kyoujurou Rengoku - YouTube

でも、初心者がそれをやったとしても、崖っぷちに落ちている札束をたまたま見つけて拾いに行くようなものです。地面は濡れてひび割れている。札束に手を伸ばした瞬間、足元が崩れ落ちてしまうかもしれない。

そして本当に足元が崩れて崖から真っ逆さまに落ちていき、相場から退場する羽目に。

そんなトレードが普通のデイトレだと勘違いしないために、本記事では投資とリスク、リスクプレミアム、そして生活防衛ということについて学んでいきましょう。

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デイトレードに必要な最低限の基礎知識と準備

ギャンブルと投資に本質的な違いはない

ギャンブルと投資に本質的な違いはない」と書くと、多くの生真面目な投資家の方たちを怒らせてしまうかもしれません。たしかに、投資の対象と手法はとても多様ですから、一獲千金を狙って偶然の結果に資金を投じるギャンブルとは、非常に異なる投資もあるでしょう。

しかし、投資もギャンブルもリスクを伴い、結果の予測は不確実です。元本の保証がなく、未来を正確に知る方法は存在しないという点では、ギャンブルも投資も本質的に違いはないと、このキャンプでは考えています。

ただし、投資にもギャンブルにも、戦略があります。

そして、このキャンプで皆さんが学んでいくデイトレードにも、シンプルでわかりやすい手法が存在し、リスクを適切にコントロールすることで、安定した利益を狙うことが可能だと考えています。

この記事では、デイトレードに必要な最低限の基礎知識と準備を説明し、シンプルでわかりやすいトレード手法「ミニマリズムアプローチ(ミニトレ)」の概要を紹介していきます。初心者でも実践しやすいこの手法を活用し、リスクを能動的にコントロールしながら、利益を追求する方法を学びましょう。

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