デイトレ初心者ブートキャンプ!

デイトレ初心者のための実用的入門ブログ

デイトレ初心者になろう!証券口座・機材・トレーディングツール・資金

はじめに:デイトレ初心者になろう!

今日からデイトレの具体的な話に入って行きます。

まず必要なことといえば、デイトレができる環境を作ることです。本記事で紹介するのは、証券口座、必要機材、トレーディングツール、そして資金についてです。どれか1つでも欠けているとデイトレはできないので、この4つは必要最低限の準備と言えます。

当キャンプの方針は、「とにかく情報をシンプルに」ですから、環境作りはある意味適当です。しかし、デイトレ初心者が困りそうなことについてはしっかりと説明していきますので、デイトレの入り口にずんずん入っていきましょう。

この記事を読み終わる頃には、あなたはもうデイトレ初心者です!

 

証券口座を開く

デイトレを始めるには証券口座が必要だと、案外多くの人は知らないかもしれません。新NISAやiDeCo、他の株式投資を既にやっている人なら当然わかっていることですが、初めて投資を行う人が、最初に戸惑うのは証券口座の開設でしょう。

結論から言えば、ネット証券での口座開設手続きは簡単で、ネット上でほぼ完結します*1。また、証券会社選びにあまり時間をかける必要はありません。ネット証券ならどこでも良いという感じです。「なぜ対面営業(店舗型)の証券会社はダメなの?」という疑問に対しては、「手数料が高いからです!」が答えです。

ネット証券大手5社

ネット証券はたくさんあります。そもそも証券会社全体で200社以上もあるのです。ネット証券大手5社と呼ばれるのは、auカブコム証券、マネックス証券、松井証券、SBI証券、楽天証券の5社です。

ネット証券の比較サイトはすでにたくさんあるので、詳細を比較して選びたいという人は、たとえば以下のサイトを参考にしてください。

kabutan.jp

diamond.jp

finance.yahoo.co.jp

ランキングが必ずしも一致していないのは、おそらく多少宣伝がかかわっているからだと思いますが、大手5社が常に上位にいることは確認できます。この5社の中で、マネックス証券だけはちょっと毛色が違います。銘柄スクリーニングのサービスを見るとわかるのですが、マネックス証券だけは、デイトレではなく長期投資に重点を置いている印象があります。

当キャンプでは、シンプルに手数料で選ぶならSBI証券か楽天証券、トレーディングツールやユニークなサービスがデイトレーダーに人気なのは松井証券だと考えています。どの証券会社にするか迷うようなら、この3社から選ぶと良いと思います。ただ、繰り返しますが、どこの会社でデイトレを始めても、初心者にとって大差はないでしょう。口座開設はどこのネット証券でも無料ですし、口座の維持費用も発生しませんから、いっそのこと3社全部で開設して、自分にとって使い勝手の良いところをメインにするという手もあります。口座を開設さえすれば、各社のトレーディングツールを触ってみることもできるので、案外この方法が良いかもしれません。実際に、著名トレーダーの多くは複数の会社で口座を開いています。

信用取引口座の開設

デイトレをやるなら、信用取引口座の開設は絶対にしたほうが良いと当キャンプでは考えます。1回のトレードが完了するとすぐに買い付け余力(トレード資金)が回復し、回転売買が可能になるからです。順番に説明しましょう。信用取引ではない取引は「現物取引」と呼ばれます。現物取引では、株式を売却してもすぐにその資金を次の取引に使うことができず、「受け渡し日」(売却から3営業日目)までは口座残高が回復しません。つまり、50万円が口座にあって、30万円分取引を行って売却しても(仮に損益が0円だったとしても)、3日経過しないと口座残高が50万円に戻らず、取引に使えないのです。これは小資金でデイトレを始めようとする人にとって、非常に不利な条件です。トレードチャンスが後に続いたとしても、買い付け資金がないからです。

信用取引は、それ専用の口座を開設して行います。「え、また開設するの?面倒…」と思った方もいるかもしれませんが、最初に開いた口座の中で追加的に開くものなので、最初の開設のような手続きは不要です。最初に開いた口座を「総合取引口座」と呼び、その中に信用取引口座やFX口座、金・プラチナ(先物取引)口座があるという感じです。

ただし、信用取引口座を開設するには基準があり、その基準を満たして審査を通過する必要があります。どこの証券会社でも必ず基準が設定されており、中でも重要なのは「株式投資の経験」と「金融資産」の2点です。証券会社によって表現の細かさは若干異なるようです。例えば楽天証券は、「他社を含め、信用取引あるいは一定の現物株式取引の投資経験がある」「金融資産が100万円以上ある」と、割合厳密に定めています。これに対してSBI証券では、「十分な金融資産や証券知識があること」「株式の投資経験があること」という具合で、かなりざっくりとした表現です(実際の審査の厳しさはあまり変わらないと思いますが)。

デイトレ以外の投資法も含めて、株式投資は初めてだという方の場合、すぐに信用取引口座を開くことは難しいと思います。新NISA口座で積立投資を100万円分くらい行って基準を満たすようにしましょう。もちろん現物取引は口座開設と同時に可能なので、ごく小資金で現物取引を始めて基準を満たす手もあります。*2

「回転売買」とは、同じ銘柄を1日に何度もトレードすることです。例えばトヨタ自動車の株を1単元(100株)買って、10分後に売却し、またすぐに100株買って、という具合です。デイトレでは、株価が活発に動いている間、リスクを避けながら何度も買い、売却を繰り返して利益を積み重ねていきます。現物取引でこれをやろうとすると200株分の資金が必要ですが、信用取引ではそれが100株分の資金でできるわけです。

トレードに必要な機材

デイトレーダーのステレオタイプとして、下のイラストのように「たくさんのモニターに囲まれてチカチカ光る画面を見ながらマウスを動かしている」というイメージがあります。しかし、デイトレーダーがみんなそういう機材でトレードしているわけではありません。

デイトレのYoutubeチャンネルとして有名な「デイトレ塾Rょーへー」では、多くのトレーダーのデイトレ環境が詳しく紹介されていますが、使用機材やモニターの枚数など、実に多様であることがわかります。

youtu.be

では、極限までシンプルな環境とはどういう環境でしょうか。答えは「スマホ1台」です。ネット証券の多くは、スマホ版のトレーディングアプリを用意しています。これ以上にシンプルにはできないでしょう。

ただ、やはりスマホ1台というのはかなりの上級者向きだと言わざるを得ません。少なくとも、数秒単位でトレードする「スキャルピング」を行うなら、スマホ1台では無理があります。しかしその一方で、何枚ものモニターとハイスペックなパソコンが必要かというと、それも違います。

当キャンプでは、「発売されて10年以内くらいのノートパソコンが家にあるなら、とりあえずはそれで十分」という考えです*3。日本でおそらくもっとも著名なデイトレーダーであるテスタさんも、最初はノートパソコン1台で始めたと言っています。

機材にお金をかける余裕がある方は、もちろん存分に高機能の環境を構築してください。ハイスペックなパソコンや大型モニターが、トレードの障害になることはありません。しかし、「まず道具をそろえよう」という発想は、取らなくて良いと思います。その分を投資資金にまわしましょう。

パソコンをいま持っていない、これから買うという人が、デイトレと仕事(または学業)の両方に使う目的ならば、HP(ヒューレットパッカード)やDell(デル)が、十分なスペックで10万円以下のノートPCを出していますのでおすすめです。

パソコンとセットで必要なのはインターネット回線ですが、ネット証券で口座を開こうという人なら、当然すでに開通済みでしょう。「通信速度は最低○○Mbpsくらいほしい」という話も聞きますが、これも「いまあるもの」で問題ないでしょう。ただし、街中のフリーwifiはセキュリティーの問題があるのでやめておきましょう。自宅でトレードしてください。

 

トレーディングツールはどこのがいいの?

これはなかなか悩ましい問題です。ネット証券各社が、ツールの高機能を競っているので、「どこのツールがいいんだろう?」と考える人もいるでしょう。しかし、当キャンプでこれから学んでいく板観察中心のトレード法は、ツールの高度な機能を必要としません。「フル板が無料で使える」という条件さえ満たせば、どこのツールでも良いのです。ちなみに、先に紹介した3つのネット証券(松井、SBI、楽天)は、おおむね無料でフル板が使えます。松井証券は1か月に10回以上の取引、SBIは信用口座の開設が無料利用の条件となっています。楽天証券は完全無料です。

細かく調べていけば、おそらく使い勝手に違いは見つかるのでしょうが、これもまた初心者にとっては大差ないと考えて良いと思います。ツールの使い勝手以前に、トレードの流れに慣れることのほうが最初は大変だからです。

トレードに慣れて、細かい機能のちがいが気になるようになってから改めてツール選びを考え直せば良いでしょう。松井、SBI、楽天の3社のうち、楽天証券だけはツールのデモトレードが提供されているので、口座を開かなくても体験できるようです。

 

デイトレ初心者に必要な資金

株式投資全般に言えることですが、資金は多いほど有利です。特に信用取引には口座維持に最低限必要な金額が、どこの証券会社でもおおむね30万円と定められていて、それを下回ると取引ができなくなります(取引が停止される前に「追証」という資金の追加が求められ、そこで新たに入金できれば取引停止にはなりません)。したがって、資金が多ければある程度の損失が出ても信用口座を維持することができますが、資金が少ないと、ちょっと損が出ただけで追証を求められるという事態になります。

当キャンプでは、初心者がデイトレを始めるのに適切な資金を50万円と考えています。20万円の余裕があれば、いきなり無謀なトレードをしない限り、すぐに取引停止にはならないでしょう(逆に言うと、無謀なトレードをすれば1日で資金は枯渇します)。30万円ぎりぎりで始めるのはお勧めしません。始めたての頃はツールの使い方にも慣れていないため、本当なら利益が出ていたタイミングで操作ミスをしてしまい、数千円程度の損失が出ることはまれではありません。30万円でトレードを始めると、その1回の操作ミスで取引停止になってしまいます。「50万円は難しい」という人は、せめて40万円準備できてからトレードを始めましょう。もちろん生活防衛を考慮したうえでです。生活防衛資金を確保できていて、生活が脅かされないなら、多い分にはいくら多くてもかまいません。

重要なのは、相場にとどまり続けることだと、多くのトレーダーは言っています。

 

まとめと次回記事の予告

今回の記事では、デイトレを始めるために不可欠な準備について解説しました。証券口座を開き、いまあるパソコンとネット回線を使い、口座を開いた証券会社が提供するトレーディングツールを使って、50万円程度の資金で始めてみましょう。必要最低限の準備で、あまりお金をかけずに始めることをお勧めします。大事なのは急いで稼ごうとすることではなく、相場に長くとどまり、トレードを続けていくことです。何もわからないうちから過剰な設備投資を行うことは、お金に余裕があるという人以外は避けたほうが良いでしょう。慣れた後に、本当に必要なものをそろえれば良いのです。

さあ、これであなたがデイトレーダーとしてデビューする最低限の準備は整ったはずです。次回の記事では、デイトレデビューをする前に最低限知っておかなければならない取引ルールと株用語について、詳しく説明する予定です。デイトレをするにあたり、知らないと本番でフリーズしてしまうような事柄について、仕組みやルールを正しく理解し、本番に備えましょう。

では、次回の記事をお楽しみに!

 

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*1:税金が関わることなので本人確認書類だけは後日郵送する必要があります。

*2:相当にぶっちゃけた話をすると、信用取引口座の審査は基本的に自己申告に基づくものなので、じつは結構いい加減なのではと感じることもあります

*3:ただしWindows 10は2025年10月でサポートが終了してしまうので、Windows 11を使えるものが欲しいところです